月と太陽
謝ると、米沢さんはニコッと笑って「これからよろしくね♪」と言って何事も無かったように前を向いた。
お昼休み、早速私がお弁当を持って席を立つとガシッと腕を掴まれた。
腕を掴むもうひとつの腕をたどると、そこには満面の笑みを浮かべた米沢さん。
「お昼、食べよ!!」
そう言うと同時に、米沢さんは掴んでいた腕を引いて私の返答を待たずに教室を出た。
いや、出ようとした。
けど開いているはずのドアには人の壁があった。
ほとんどが女子。
「んー、出らんないねー。屋上行きたいのになぁ。」
背を伸ばして壁の向こうを見ようとする米沢さん。
その手はまだ私の腕を掴んでるから、
「ねぇ、腕「キャ~~~~~~!!!!!!」
離してと言おうとしたのに、私の声は廊下に群がる女子の奇声によってかき消された。