COLOR
YELLOW 希望





随分子供じみた事をしたと思う
駄々を捏ねる俺に呆れただろう

それでも、今この手を繋ぐ権利を得ることが出来たのは……
いや、正確には、手を繋ぐ権利だけだが
まぁ、良しとしよう


あの日から…………冬華に再会したあの日から
やっと俺の世界が色付いた

隣に冬華が居てるだけでいい
それだけで、俺の世界は変わる


あの日、冬華の家でちゃんと伝えた
別れようと言った理由を
冬華はそれが聞きたかったらしい


「他の女を知りたかった」なんて何とも身勝手で非情
だけど冬華は「少しだけ安心した」と言った


「嫌いになったわけじゃなかったんだね」

「うん、嫌いになんてならないよ
でも、怒らないの?」

「そりゃ、腹立つよ
何、その理由!って怒ってやりたいけど
付き合っていた四年を否定されなくて良かった」

「冬華…………」


"付き合っていた四年を否定"

この言葉が辛い
俺が別れの時に発した言葉は冬華をそれほどに傷付けたんだ

付き合っていた幸せな時間でさえも否定するほどに
俺の身勝手な感情で


「でも!結局さ、何にも出来なかったよ」

「え?」


どうしても伝えたかった
そんな身勝手な理由で別れたくせに
結局、俺の心は決まってたんだ
だから、それを伝えたい

今日伝えた事はその場の雰囲気とか
突然じゃないってこと

俺にとって冬華の存在の大きさをちゃんと、わかってほしいから
この先、離さないためにも


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