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「お兄さんからは大事な妹を二人とも奪ってしまうので
うちの両親も何も言いません
両親も秋月と春月ちゃんの事にはでれでれですから」
俺の頭の中を覗いてたのだろうか
流石、次期社長となる男だ
「その代わり、ちゃんと冬華さんをお兄さんの婚約者として結婚式に参列してもらってください」
「はい………ありがとうございます
あと、"お兄さん"はやめてください、夏月で良いです」
「じゃあ、夏月くんで
ずっと話したかったんです
ご両親が亡くなってからも、お兄さんとご両親が愛情を沢山くれたと言ってました
自分には二人お父さんとお母さんがいるんだって
秋月も春月ちゃんも本当に良い子で」
「ありがとうございます」
少し掠れた声
最近涙脆くなったな
そして今日、冬華を俺の婚約者として秋月の結婚式に参列することができた
俺も来月結婚する
そして、春月も
一気に結婚式が続くから両親は寂しそうで
でも、秋月をエスコートする父さんは「兄貴に感謝だな、役得」と言って嬉しそうに笑った
「はい!冬華お姉ちゃん!」
「え?」
ブーケを冬華に渡して、冬華は驚いている
「次はお姉ちゃんの番!お兄ちゃんで本当に良いの?」
「こらっ、余計な事言うな」
秋月を小突いた
冬華も笑ってる
幸せに色があるなら
今この瞬間
そして、この先も色んな幸せの色を感じていたい
「冬華、幸せになろう」
「うん」