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中学同様高校でも恋愛なんてする気がなかったのに


俺の高校三年間は冬華一色だった


珍しい外部受験で入学した冬華に入学式で一目惚れして、一学期の終わりには付き合い始めた
猛アプローチだったと思う


勿論、勉強だって頑張った
彼女が出来ても恋愛にばかり現を抜かすような事はしなかった
冬華と居れば何でも出来る気がした


手を繋いで歩くのも
キスも
その先も
すべてが冬華が初めてだった

何より、幸せだった

でも、それを手放したのは紛れもなく自分だ
酷く身勝手で最低な自分だ


大学は俺は医学部へ、冬華は法学部へ
道は違えど共に夢に向かう冬華といたから俺も頑張れたんだと思う


大学に入ると同じ夢を追いかけている奴等ばかりで刺激的だった
その中には勿論、女もいて


「お前、その彼女と結婚でもすんの?
遊べばいいじゃん
色んな女とヤった方が良いって
お前モテるんだから勿体ないって!」


そんな事を言う友人は一人二人じゃなくて
冬華が大好きだった俺はそんな気も全くなくて流していた


「お前、彼女が初めて?」

「当たり前だろ?」

「浮気は?」

「するかよ」

「勿体ないなぁ、今は20歳だし別に気にしないけどさ
この先、一生今の彼女しか知らないままか?」


20歳の祝いに何人かで飲みに行った時に言われた
その言葉に初めてぐらついた


俺は勘違いしていたんだ




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