恋
あの頃からかな?
今年の夏
気温が30℃を以上の日
私たちは部活をやっていた。
さすがに30℃をこえると
いくら陸上部といえど部員達は
ぐだぐだ・・・
そして私もその一人だった
部員のほとんどが木陰で一休みをとっていた。
ただ一人を除いては・・・
「おーい。根性ねーな。おまえら」
光る汗がキラキラ輝く。
そうこいつ
大谷 優輝。
彼の種目は100メートル
私達の県では1位2位を争う選手の一人だ。
中学時代は彼の周りに敵なし、なんて言われてたんだって。
「お前が元気すぎるんだ。短距離馬鹿!!」
「人間か?お前?」
「お前と違って俺らは人間なんだ!」
みんなにブーイングを浴びながらも
優輝は
「お!短距離馬鹿いいね!そして俺だって人間だ。俺は何を言われても陸上が大好きなんだ。木陰で休んでる暇がもったいない」
そのときの彼の瞳はキラキラしていて
「ぜったい俺はインターハイいくんだ!」
そう言って彼だけが
またグランドに戻っていった。
彼の走る姿は
綺麗なフォームで
かっこよくて
そんな彼を
目で追っていくうちに
私は自分自身
気づかないうちに
彼を好きになって
しまったのかもしれない