先生。好きじゃないです
あさ
おはようございます!!」





私、川野ハルはいつものようにカーテンをしゃっと思いっきり開けた。朝日が眩しい。



「先生〜おーきーて!!!」

そして布団に飛び込んだ。








これが毎朝のルーティーンだ。そうすると先生は5分後に起き出す。


「かわの…お前な…」

ぐじゃぐしゃと髪を乱す仕草がいちいちカッコイイ。

ほんとに…かっこいい。



口には出さないけど。




「ほーら!!先生!!学校遅れるよ!?今日は学会で発表なんでしょ?」



先生の顔がスっと青ざめる。




「おい、かわの…今…」



「8時です♡♡」


「……………」


「あっ。8時1分です♡♡♡♡」



バタバタとすごい勢いで先生が出ていった‪。


相変わらずお寝坊さんだなぁ笑


先生が慌てるのが好きで起こすのを

遅くしてるのは内緒。




さてと。



「わたしも学校行かなきゃ」




先生。

机の上に忘れ物してるし、

届けなきゃだ。



ちょっと嬉しい誤算。
先生がおっちょこちょいで良かった



私の家から学校は徒歩で5分もしない。


いい物件だよね。学校から近いと。




だって…




だって朝はギリギリまで先生と居たいから





なんてね。



「ふぅ…」



さっ。
学校にも着いたし、


先生に忘れ物届けに行きますか!!


先生のいる部屋は


校門を通り抜けて


左に曲がって、

大きな桜の木を
ぐるっと半分回ったところに


出てくる階段を3回まであがる。


そして真っ直ぐいって


つきあたりの部屋。






生物研究室。
先生の部屋。




深呼吸して、


コンコン。


2回ノックする。


「はい、どうぞ」


若い女の…大人の人の声。



「あっ、速水先生にお届けものです。」



大人っぽい声のだし方なんて知らない…



「はーい。今開けるわ。」




ガチャという音と共に重い扉が開く。


出てきたのは、先生じゃない。




「あっ、あの速水先生は…?」




「ごめんなさいね、先生いま実験中で…今日の学会で何としても発表するんだ!!って張り切ってるのよ〜」



「あっ、それは…」




しってる。



けど








もちろん言えない。








「大変そうですねぇ〜」




にっこり笑って答える。








だってそうするしかない。





「では、先生に渡してください。よろしくお願いします!」




「はーい。ありがとうね」





重い扉がしまった。







これは、32歳の同じ学校の先生に




恋をしてしまった17歳の私の





恋の物語。
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