時間を越えて

3年と少し前を越えた頃。

「やることはやったし!私の努力はきっと報われる!」
「そりゃ、難しいから、鉛筆を転がしたりもしたけれど……。」

「運も実力のうち!実力!実力!」


今思えば、不安をよくわからない自信に無理やり変えて受験。
そして、いま合格発表を見に行こうとしている。


「では、いってきまーす!」

ドキドキは最高潮。
家から飛び出して、すぐ道の角を曲がる。


「よーーーし!……えっ?」

「よっ!」

えっ?

「ど・どうしたんです。か?先輩。」

勢いよく角を曲がった場所に、なぜだか先輩の姿があった。


「そりゃ。後輩になるかもしれない奴の発表だからなぁ」

「え?もしかして。それで来てくれたんですか?」

「ん?あぁ、じゃあ心配をしてたという、俺を見せたから帰るか。」


「な、ど・どうした!」

私はとっさに先輩の腕をつかんでいた。

そして。

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