時間を越えて

うつむいたまま、先輩の方を向くと、笑っている。

私は顔をあげ、発表の数字を追った。

「えっと……あ…あった。ありました!ありました!先輩!」

「だろ?0127の、1つ上と1つ下の数字ないって言えるって事は、0127があるって事だ。」

「うんうん簡単な、さんすうだな!」


「もぅ……。」

「何、目赤くして言ってるんだよ。うれし泣きか?」

「それは……それは!そうですよ!頑張ったんですよ!」


「もう、ずっとずっと頑張ったんです!」

言う言葉も、なんだかわからない私。



「わかったわかった。で。もし合格していたら、私と。なに?」

「えっ!」

「言わなかったか?」

「あ、いやその。はい、いいました……。」


「私を胴上げして下さい!か?」

「違います!ちがいますー!私とつきあっ……」


いつの間にか、すっかり先輩のペースに乗せられている。
お見通しって奴で、いまさら逃げられない。


え?でも、それって!?

私は意をけっして口を開いた。

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