人殺しの私
「華恋ちゃんね、華恋ちゃんは昨日どうしてあそこで倒れていたの?」



男、いや神代さんは私の表情を察してなのか、苗字のことは聞かないでいてくれた



どうして、、か


なんだろうな
「.......自由を手に入れてみたかったから?」




私がそういうと神代さんはびっくりしたような表情でわたしを見つめ
「そっか」
と一言だけつぶやいた




何が自由だ


あの人から逃げられないことは自分が一番わかっているというのに




ふっ
私は自嘲気味に心の中で笑った






「華恋ちゃんの親御さんは?」
神代さんの突然の質問に私は固まった




おや?お、や?





親、、、それは私にとって禁句でもある言葉
ああ、だめだ

まただ

いつもこうなってしまう


親というワードは私を苦しめる


あの日を鮮明に思い出させる
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