人殺しの私
そして
「俺は御影仁だ。今は何も聞かない、寝てろ。」



ただそれだけ言い彼は私の頭を撫で、神代さんとともに部屋を出ていった




不思議な感覚だった


まるで昔から知っているようなその温かい、大きなその手に安心すると同時にひどく泣きたくなった



なぜだかはわからない




でも彼なら信頼できる


彼なら裏切らない



そんなゆるぎない自信が私の心に芽生え始めたのだった





それから私は寝ていてしまったらしい




目が覚めた時にはあのベッドの上だった



きっと長い間しっかり寝れていなかったから、安心して寝ちゃったのかな?
あの場所じゃ寝ることすら満足できなかったから.......




久しぶりにぐっすり眠れたな






あの人たちのおかげなのかな?


あの人たちには不思議と、不信感がない





そういえばあの人の手温かかったなあ




自分の手をかざしながらふとさっきのことを思い出した






あんなに安心したのはいつぶりだろうか?


あんなに泣きそうになったのは......いつぶりだろうか









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