その時、オレンジジュースの香りがした。
そのことを書いてみたんだけど、やっぱ暗いよね。うん。
だから帰り道、夕香にその言葉を言われた時は頭が真っ白になった。
結局私はこうなんだって思った。決意しても、何をしても、やっぱりその一言に行きつくんだって。生まれて初めて、
自殺しようと思ったよ。”
2枚目が終わった。
それで、那央は自殺したんだ。
なんだ。やっぱり私が殺したんじゃん。
心のどこかで灯っていた光は消えた。そもそも、光を持つことさえ愚かだったのだ。
ふとよぎった疑問があった。
…それなら、3枚目には何が書いてある?
震える手で、最後の1枚をめくった。さっきあった黄色のシミが、さらに大きくなっていた。
“でも、それは違うって気付いた。
私を産んでくれたお父さんとお母さん、クラスメイトたち、先生、おじいちゃんやおばあちゃんも。
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