女王陛下のお婿さま


「――――そうか、分かった」


 ファビオはそれだけ言うと、クラウスにクルリと背を向け去って行った。アルベルティーナを見舞うつもりだったはずなのに、彼女の部屋へは入らずに。

 残されたクラウスはその場に立ちすくんでいた。暫くして大きく息を吐きだすと、マイラの部屋へ向かった。
















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