絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
封筒を受け取りながら
「専務。これは?」

「三浦さん。この後何か予定入ってる?」

「いえ。特には…」

「良かった。今渡した封筒をこの紙に書いてある場所まで持っていって、そこで待っている人に渡してきてほしいんだ。頼めないかなぁ?」

断らないよね~的な笑顔で言われ、ましてや自分が働いている会社の専務に頼まれて断れる人間がいるだろうか………
少なくとも私にはそんな勇気はない。という事で、
「わかりました。何時までにとかありますか?」

「今から向かってくれれば大丈夫だよ。
僕の名前を言ってくれればわかるようになってるから。
じゃあ よろしくね。
あっ それ渡したら帰っていいから。」

「はい。承りました。
責任持って お届けいたします。
では 失礼します。」

「うん。お疲れさまぁ」

私は封筒をしっかり受け取り、専務室を後にした。

「渡すだけで帰れれば良いんだけどね🎵」

なんて 専務のつぶやきは私には届かなかった。

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