絆 ～私は必要ですか?～ 【完】
専務に渡された紙を見ると、私のような一般市民は簡単には行くことはできない 超有名な高級老舗料亭の名前と住所が書かれていた。

会社を出て、タクシーを拾い書かれている店名を運転手さんに伝えはしたが、半信半疑な気持ちで私は向かった。

店に着いてタクシーを降りるが
「本当にここで合ってるのかなぁ～？」
不安になりながら中に入る。

「いらっしゃいませ」
女将さんらしき人が出迎えてくれた。

「あの～…… 長谷川住建 専務の長谷川の代理で伺った三浦と申しますが……」

「はい。承っております。
お連れの方は お部屋でお待ちですので、ご案内いたしますね。どうぞこちらへ。」

女将さんの案内で廊下を進み、お店の奥にある個室の前で足を止める。

「失礼いたします。
お連れ様をご案内いたしました。」

「どうぞ。」

「失礼します。」と襖を開け、
「お客様 どうぞお入りください。」
と言われたので、

「失礼します。」と部屋へ入る。

そこにいたのは……

いつかのパーティーで会った事のある、専務の友人の九条禅さんだった。



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