絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
ビックリして動けないでいると

「頼むから………話を聞いてほしい………頼む。」

九条さんの気持ちが本気だと、私を見つめる目から伝わってきたから、部屋に入ってもらって話を聞くことにした。



部屋に入りマグカップにコーヒーを入れ 九条さんに差し出す。

「すみません。狭い部屋にお招きしてしまって。」

「いや。大丈夫だ。」

私の部屋は1DKと狭い。大学入学を期に一人暮らしを始め それからずっと同じ部屋に住んでいる。
引っ越ししたいが社会人2年目の身としては、まだ金銭的に厳しくてむずかしい。




「九条さんは、いつからあの場所に?」
気になったので、聞いてみた。

「昨夜からと言いたいが、さすがにずっといて不審者と間違えられて騒ぎになってもと思って、一度帰ったんだが、気になってまた早朝に………でも まだ帰ってなかったからあせったよ。」

「心配かけてすみません。

それじゃあ朝食召し上がってないんじゃないですか?
私 すぐ何か作りますね。」

キッチンに向かおうとすると手をつかまれ、止められてしまった。

「朝食より、俺の話を聞いてくれないか?」


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