絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
この女は確か柚希より年が少し上だったよな?どうしてこうも話が通じないのか………
俺はこの女を無視し直接玉井社長と話す事にした。

「今回の事は絶対に許せません。
貴方が父の友人でも関係ない!
俺の大切な人が怪我を負わされたんです。当然ですよね。」

「本当に申し訳ない。
今回の医療費は私共で払わせてもらいたい。」

「そんなのは当然です。
でも命に対してはどう償うんですか?」

俺の言葉に玉井さんは意味が解らない顔をして聞いてきた。
「命?禅君 命とは何のことなんだい?」

「………………柚希の………お腹に………俺達の子供がいました。」

「子供?」

「………はい。柚希は妊娠していたんです。
今日 突き落とされた時に体を強く打ちつけ その影響で流産してしまいました。
その責任はどう取るおつもりですか?
まだこの世に出て来てなくても 人の命には変わりないんだ!
少なくとも俺にとっては大切な命なんだよ!」

俺の言葉に玉井社長は黙ってしまった。
俺の両親もビックリしていたが………

「禅。今の話は本当か?」

「ああ。柚希のご両親が医師からしっかりと説明を受けている。それ聞いた時 ちゃんと結婚する前で、ご両親には申し訳なかったけど俺はすごく嬉しかった………んだ。」

< 48 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop