絆 ～私は必要ですか?～ 【完】

それからというもの パーティーに出席する予定が度々ドタキャンされることが増え、禅さんとも会話が少しずつ減ってきていた。

どうしてこうなってしまったのかわからず、禅さんと話をしようとしても、出張だったり、家にいても私を避けて外出したりして どんどん私達の間に溝が広がり始めた そんなある日。
秘書の間宮香織さんが私を訪ねてきた。

「奥様 こんにちは。
突然お邪魔して申し訳ありません。」
そんな間宮さんの様子に なんだか嫌な予感が私の中にわきおこる。

「間宮さん こんにちは。
主人は今外出していますが、何かありましたか？」

「本日は社長ではなく、奥様にお話があって参りました。」
なんだか勝ち誇った様な笑みを浮かべる間宮さんをリビングに通して話を聞くことにした。