絆 ～私は必要ですか?～ 【完】

写真を見て先生は何も言えなくなってしまった。

「きっとそういう事なんだと思います。
ですので、禅さんが離婚届を書いたら 先生が受け取ってくださいませんか？そしたら私が先生の所に取りに来ますので………お願いします。」

しばらく携帯の電源を切るのでまた私から連絡をすることを伝え事務所を後にした。

今夜泊まるホテルを決めていなかったから、あわてて探しチェックインをすませ しばらく連絡をしていなかった礼子に連絡をした。

「もしもし 柚希？久しぶりじゃない？元気にしてた？」
礼子は私が禅さんと結婚した半年後に結婚して今は青木礼子(あおき れいこ)になっていて、料理人だった旦那さんとペンションを経営している。

「礼子 久しぶりね。夜遅くに電話してごめんね。 私ね、家を出てきたの。」

礼子はしばらくの間 電話の向こうで黙ってしまった。

「ちょっ ちょっ はぁ！ ちょっと！」
礼子の何言ってるか解らない様子に笑ってしまった。

「柚希！笑ってる場合じゃないでしょ！
どういうことなの！？ 今どこにいるの！？」

礼子に皆川先生に話した話をした………