絆 ～私は必要ですか?～ 【完】

家の中に入ると、父親 母親 登和 一華も揃っていた。そこに柚希はいない………むなしくてなんとも言えない気持ちになる。

「皆川先生 ご無沙汰しております。
柚希から何か連絡あったんですか？」
柚希から先生に何か連絡があったのかと聞いてみたが、まったく違う答えが帰って来た。

「柚希さんがこの家を出て一ヶ月半。待っていたが、禅君が離婚届を書いたという連絡がないから貰いに来たんだ。私が預かる様に柚希さんから頼まれているからね。」

そういえば、柚希の手紙に書いてあった事を思い出す。だが俺は柚希と離婚するつもりはまったくない。

「先生 俺は柚希と離婚するつもりはありません。ですのでサインはしません。
話がしたいんです。柚希の居場所を知っているなら教えていただけませんか？お願いします。」

皆川先生に頭を下げて必死でお願いをしている俺を見ていた誠が口を開く。

「なあ 禅。柚希さんがどうして出ていったのかわかっているのか？」