絆 ～私は必要ですか?～ 【完】
これからは働かないと生きていけない。
まず仕事を見つけて、住む場所を決めないと………そんな事を考えていたある日

手伝っているペンションの扉が開き 来客を知らせる音が鳴る。

「いらっ………しゃ………い………ま………せ」
来客を出迎えると私はビックリして固まってしまった。

そこに立っていたのは………禅さんだった………


「柚希………やっと会えた………」

どうして禅さんがここにいるのか理解出来なくて、言葉も発することも出来ず呆然としていると、禅さんが近づいてきて私を抱きしめる。

「えっ？あの………ちょっ………まっ………」

禅さんから離れようと 禅さんの胸辺りを押すが、逆に抱きしめる力が強まり離れる事ができない。

「柚希 ごめん………
苦しめて………傷つけてごめん。」

とりあえず離れてほしくて禅さんに合図するが、それを拒否するように抱きしめる力がさらに強くなる。

「九条さん 柚希が苦しそうなので離してあげてくれませんか？」

みかねた礼子が禅さんに言ってくれて、やっと離してくれた。
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