絆 ～私は必要ですか?～ 【完】

どうしても仕事で来れない時もあったけど、電話やメッセージは毎日欠かさずくれた。

付き合う時もそうだったなぁ～なんて懐かしく思っていた。

礼子にも
「柚希は九条さんとどうしたいかちゃんと考えなきゃね。好きなら素直にならなきゃダメよ」
なんて言われ、ちゃんと考えようと思った。





禅さんが会いに来てくれるようになって一年が過ぎようとしていた。
私は礼子のペンションではなく、仕事を見つけて九条の家の近くに部屋を借りている。

禅さんには働く事を反対されたけど、もう一度やり直すとはっきりしたわけではない以上 働かないと生活ができない。
そう話すと 九条の家の近くに住んで働くならという条件で納得してくれた。

私が近くに住むようになって、禅さんは平日でも会いにくるようになり、子供達も会いにきて皆で夕食を一緒にすることが増えた。

禅さんは子供達に
「柚希と二人の時間を邪魔するなよ。」

なんて言って不機嫌な顔をしている。