絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
26年前と同じ場所に二人で立ち、同じ様に夕陽を見ている。
俺が柚希を呼ぶと あの時と同じ様に黙ったまま俺を見る。

「初めて会った時から変わらず柚希を愛してる。
今まで傷つけて嫌な思いをさせてしまってすまなかった。
今度こそ必ず守ると約束する。

俺ともう一度結婚してくれませんか?」

そう言って新たに用意した指輪の入ったケースを柚希に差し出した。
柚希は無言で口を両手で抑え、俺と指輪のケースを交互に視線を動かし、しだいに目に涙を浮かべ始めた。

「ありがとう。嬉しい。
私も禅さんとこれからもずっと一緒にいたいです。今度こそ何があっても禅さんの言葉を信じます。
私の方こそ よろしくお願いします。」

俺は柚希の左手薬指に指輪をはめ、そっと唇にキスをし、思いっきり抱きしめた。
強く抱きしめたからか、苦しそうにし始めたから少し力を緩め、柚希の耳元で囁く。

「今夜久しぶりに柚希に触れたい。
抱いてもいいか?」


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