君に届けばいいのに、なんてね。
と言っても駅の屋根でほとんど隠れてるけど。星は見えない。どんよりと曇った空を見ながら、頭のどこかで今日返されたテストの点数について言い訳を探した。平均点も低かったんだよ、あぁでも平均点ギリの教科は何て言えばいいんだろう。時間が足りなかったんだ、これ毎回言ってる。成長してないって言われそう。その通りなんだけど。
テストの出来、まあまあだよって言わなきゃ良かったなぁ。でも詰んだっても言えないし。今日はとことん叱られるかもしれない。気が重い。私のことを大事に思ってるからだとか、将来幸せになって欲しいからだとか、それなら黙って見守るぐらいして欲しいと思う。幸せになる前にどうかなっちゃうんじゃないだろうか。ボーっとしてる私が悪いのは分かる。分かるんだけどなぁ。
『まもなく、電車が到着します』
アナウンスに導かれるように、電車のエンジン音が聞こえてくる。ヘッドライトが眩しい。
ーーもし、この光の中に飛び込んだらー、
私は、どうなるんだろう。がら空きの電車に揺られながらそんな事を考えた。

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