sachi
高校2年生、春。
お気に入りの制服を着て、お弁当を作って。
ピンポーン
「おい!遅刻すんぞ!」
窓から下を見ると、少しイラついている中澤かなたが待っていた。
「はーい!」
慌てて階段を駆け下りて、ドアを開ける。
「行くぞ、おら。」
「うん!」
いつも通りクールなかなたと2人、自転車で高校に向かう。
「わー!かなた見て!桜だよ。桜!」
「おっ。綺麗じゃん。」
かなたが少し笑う。
かなたが笑うと、ちょっと嬉しい。
「ほら、遅刻すんぞ。」
かなたはそう言ってスピードを上げた。
「待ってー!」
私もそう言ってスピードを上げる。
かなたは私の方を見て、少し笑って立ち漕ぎをし始めた。
「おい!」
私も笑いながら立ち漕ぎをして、必死にかなたに追いつく。
いつの間にかレースみたいになったまま高校に着いた。
私もかなたも汗だくで、2人して息を切らせながら教室に入る。
「おはよぉー!」
すかさずいつものメンバーが声をかけてくれる。
山名かいと
木下ひまり
田中きこ
それに私とかなた。
私たちはいつもこのメンバーでいる。
入学した日から、自然に集まっていつも一緒にいる仲になった。
クールなかなたもこのメンバーとなら少し明るくみえる気がするような、しないような。
「ねえ!美味しいクレープ屋さんが出来たらしいんだよ!」
「え?めちゃくちゃ行きたい!」
「おい!お前らまた太るぞ。」
「うるさい。」
この5人といると、悲しいことも苦しいことも楽しいことはもっと、楽しくなるんだ。
親友ってやつだな。
放課後。
みんなで約束したクレープを食べに行く。
「おい!なに俺の分まで食ってんだよ。」
「いいじゃん。ちょっとぐらい。」
かなたのクレープをちょっとかじったらムキになる子供っぽいかなた。
私とかなたは幼なじみだ。
赤ちゃんの頃からずっと一緒に遊んできた。
高校も、頭のいいかなたに必死に食いついて同じ高校に入った。
クールでそっけないけど、
優しさは他の人に負けてなくて、
面倒見が良くて。
ずっと好きなんだ。
鈍感なかなたは
まだクレープを見て落ち込んでいる。
そんなところも好きだ。
かいと達は私の気持ちに気づいている。
よく、いじってくるし、早く告白しろよってはやし立ててくる。
それでも、未だかなたには伝えることが出来ずただ親友として隣にいる。
いつか、言うし。
かなたのお嫁さんになるのは私だし。
勝手に私はそう決めつけて安心している。
「プリとろー!」
「えー。この前も撮ったじゃねーかよ。」
「こういうのは撮ったもん勝ちなんだよ。」
「は?意味わかんねーよ。」
「いいからいいから。」
みんなで笑いながら、道を歩く。
周りの目なんて気にならない。
ものすごい大きな声で笑って笑って笑って。
私の生活は誰もが羨むくらい、うん。
幸せなんだ。
お気に入りの制服を着て、お弁当を作って。
ピンポーン
「おい!遅刻すんぞ!」
窓から下を見ると、少しイラついている中澤かなたが待っていた。
「はーい!」
慌てて階段を駆け下りて、ドアを開ける。
「行くぞ、おら。」
「うん!」
いつも通りクールなかなたと2人、自転車で高校に向かう。
「わー!かなた見て!桜だよ。桜!」
「おっ。綺麗じゃん。」
かなたが少し笑う。
かなたが笑うと、ちょっと嬉しい。
「ほら、遅刻すんぞ。」
かなたはそう言ってスピードを上げた。
「待ってー!」
私もそう言ってスピードを上げる。
かなたは私の方を見て、少し笑って立ち漕ぎをし始めた。
「おい!」
私も笑いながら立ち漕ぎをして、必死にかなたに追いつく。
いつの間にかレースみたいになったまま高校に着いた。
私もかなたも汗だくで、2人して息を切らせながら教室に入る。
「おはよぉー!」
すかさずいつものメンバーが声をかけてくれる。
山名かいと
木下ひまり
田中きこ
それに私とかなた。
私たちはいつもこのメンバーでいる。
入学した日から、自然に集まっていつも一緒にいる仲になった。
クールなかなたもこのメンバーとなら少し明るくみえる気がするような、しないような。
「ねえ!美味しいクレープ屋さんが出来たらしいんだよ!」
「え?めちゃくちゃ行きたい!」
「おい!お前らまた太るぞ。」
「うるさい。」
この5人といると、悲しいことも苦しいことも楽しいことはもっと、楽しくなるんだ。
親友ってやつだな。
放課後。
みんなで約束したクレープを食べに行く。
「おい!なに俺の分まで食ってんだよ。」
「いいじゃん。ちょっとぐらい。」
かなたのクレープをちょっとかじったらムキになる子供っぽいかなた。
私とかなたは幼なじみだ。
赤ちゃんの頃からずっと一緒に遊んできた。
高校も、頭のいいかなたに必死に食いついて同じ高校に入った。
クールでそっけないけど、
優しさは他の人に負けてなくて、
面倒見が良くて。
ずっと好きなんだ。
鈍感なかなたは
まだクレープを見て落ち込んでいる。
そんなところも好きだ。
かいと達は私の気持ちに気づいている。
よく、いじってくるし、早く告白しろよってはやし立ててくる。
それでも、未だかなたには伝えることが出来ずただ親友として隣にいる。
いつか、言うし。
かなたのお嫁さんになるのは私だし。
勝手に私はそう決めつけて安心している。
「プリとろー!」
「えー。この前も撮ったじゃねーかよ。」
「こういうのは撮ったもん勝ちなんだよ。」
「は?意味わかんねーよ。」
「いいからいいから。」
みんなで笑いながら、道を歩く。
周りの目なんて気にならない。
ものすごい大きな声で笑って笑って笑って。
私の生活は誰もが羨むくらい、うん。
幸せなんだ。
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