初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
消えた書類。
ここ最近、私は驚くほど穏やかな日常を過ごしている。

バイトはすっかり辞めてしまったため収入は減ったけれど、お給料もありそんなに困ることはない。
もらったお給料の3分の1を実家に入れ、残りをお小遣いと貯金をに回せばかなり残るくらい。
それに、週末はほとんど龍之介の家で過ごすためお金を使うこともない。


「三代、用意できたか?」
今日もチーフの声が響く。
「はい、もう少しです」
明日は区民ホール新築工事の社外プレゼンの日。
社内コンペで私のデザインが選ばれ、社を代表して行くことになっている。

「データはちゃんとUSBに落として行けよ」
「はい」
「配付する資料は誤植がないように確認したな?」
「はい。もう一度確認します」
「そうしろ」
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