初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
チーフと別れてから電車に揺られ、駅から歩いて実家に帰った。
でも、どうやって帰ったかの記憶がない。


その晩、私は一睡もできなかった。
なぜなら、ずっと携帯を握って待っていたから。

「龍之介」
つい、言葉に出していた。

メールの一件くらいくれると思ったのに、何も来なかった。
やっぱり怒っているんだろうか。
そりゃあそうよね。
差し出されたあなたの手を、離したのは私。
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