初恋 ～頑張る女子と俺様上司の攻防戦～
「それって、本当なの？」
「ああ」

祐介くんの話を聞いて、私は言葉を失った。

「嘘、でしょ？」
「実際の所はまだわからない。でも、可能性は高いらしい」
そんな・・・

祐介くんから告げられた内容は、『玲奈のお腹の子供に先天性の疾患を思わせる所見がある。病院からは詳しい検査をすすめられたけれど、俺たちは検査をせずに子供を産むことを決めた。たとえどんな子供でも、親として受け入れるつもりだ』と言うものだった。
そして、『俺たちは覚悟の上で子供を産むことにした。子供が生まれたときには、たとえどんな結果であっても、玲奈におめでとうと言ってやって欲しい。頼む』そう言って頭を下げた。

「わかったから」
返事をしながら、胸が締め付けられる気分になった。

一体どれだけ悩んで、２人はこの答えにたどり着いたんだろう。
もし私だったら・・・

ブブブー。
ポケットの中の携帯が震えた。
あ、樹里ちゃんからの着信だ。

よく見れば、龍之介からのメールも十数件来ていた。
気がつかなかった。

「ごめん、電話してもいい？」
「ああ、どうぞ」
一応祐介くんに断ると、私は樹里ちゃんに電話を掛けた。
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