初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
「ちょっと」
奈々さんが注意してくれるけれど、
「何?せっかくの飲み会なんだから、楽しもうよ。ここは俺のおごりだし」
威圧的な言葉。
ムッ、とする奈々さん。
こんな時、「やめてよ」って叫べる性格ならいいと思う。
でも、私には無理。
怒って帰れば玲奈の思うつぼのような気がして、
「奈々さん、ありがとう。でも、平気だから」
強がってしまった。

バイトの時だって嫌なお客さんはいっぱいいたわけで、ちゃんとあしらう方法だって分かっている。

「ふーん」
不敵に笑った玲奈は、キョロキョロと店を見回す。
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