初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
「お前、いくつだっけ?」
「私ですか?22歳です」
「俺は36のおっさんだぞ。過去だってそれなりにあるさ」
「過去ですかぁ」

10人に聞けばおそらく10人がイケメンと言うだろう御影社長。
その過去がどんな物かなんて、想像するだけで恐ろしい。

「お前の副業ほど、意外な秘密ではないけれどな」
「何ですかそれ」
「だってそうだろう。『建築が好きです』『御影設計事務所には入れないなら、就職浪人してもかまいません』『特に好きな建築は・・・』なんて延々と俺の設計の批評をした学生初めてだった。それが、夜はクラブでホステスしてるなんて、どえらい秘密だろう」
「副業なんて、ただのバイトです」
「随分似合ってたけれどな」
「それはどうも」
「バカ、褒めてない」
なんだか社長が怒ってる。
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