初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
「お前、あいつのデザインをどう思う?」
「はあ?」
「だから、三代未来のデザイン」
「それは・・・悪くないと思います」
そうなんだ。
彼女のデザインは実用的で、シンプルで、固定概念にとらわれない。
「たとえ10枚図面を並べられても、あいつのは分かるよなあ」
「まあ、そうですね」

「俺は、あいつを手放したくない」
「それは、デザイナーとしてって意味ですよね」
「人として興味がある・・・かな」

「龍之介?」
職場で、春樹が俺を名前で呼ぶことは珍しい。

「とにかく、俺は三代未来を手放したくないんだ」

「本気か?」
「ああ」
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