初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
36にもなって、俺は小娘に恋をしてしまった。
自分でもばかげていると思う。
でも、この気持ちは止められない。

『はい三代です』
「ああ、ちゃんと家にいるな」
『はい。これから持ち帰った仕事をしようと思っています』
「そんなのは明日でいい。ちゃんと寝ろ」
『はいはい』
「適当な返事だな」
『すみません』
毎日交わす他愛もない会話が、楽しみになった。

『社長、明日はバイトに出でます』
「明日が最後か?」
『えっと、明日と来週の水曜で終わりです』
「来週も?」
『大口の予約が入ったそうで』
「断れないのか?」
『最後ですから』

まあ、仕方ないだろう。
今月が最後なのは、俺からもママに念を押してある。
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