お前がいる場所が、好き。Ⅰ
湖の場所へ行く前に、わたしは洋菓子店へと向かった。今日も、寺本は湖のところへ来るというメールをもらっているので、何かあげたいと思ったのだ。
どれもすごく美味しそうだ。
いちごのケーキや、アップルパイ。フルーツタルトなど沢山ありすぎて、わたしは思わず目移りしそうになった。
「お誕生日ケーキ、何がいい?」
「えーっとねぇ……」
わたしのすぐ近くで小さい男の子と、そのお母さんらしき人が話している。
ケーキも、色々な種類があるけれど、流石に持っていけない。家に持って帰ることならとにかく、湖の場所へ持っていくには、大きすぎる。
ケーキも隣に、シュークリームがあった。これなら、持っていくことができそうだ。寺本には、弟さんと妹さんがいるので、4つ必要だ。
わたしは、財布の中を確認する。買えそうだ。
わたしは、シュークリームを買って、店を出て湖の場所へと行った。
「メール、打っておこうかな」
わたしは、携帯を出して、『今から湖に向かうね』というメールを寺本に送った。