お前がいる場所が、好き。Ⅰ
話し終えると、嗚咽をこらえられなくなって、その場で声を上げて泣いた。
お母さんは、わたしを抱きしめながら跡がついた頰を撫でてくれた。
『桜花、辛かったわね。苦しかったわね。よく頑張ったわね』
今まで彼氏には叩かれてばかりだったので、お母さんに抱きしめてもらえたのが嬉しくて、わたしはますます大声をあげて泣いた。
『桜花、もうその人と付き合ってはダメ』
お母さんだったら、こう言うと思った。
『絶対に別れなさい。もう我慢したらダメ。これ以上我慢すると、身体が持たなくなるから。いいわね?』
『はい……』
けれど、お母さんが交際を反対してくれて嬉しかった。