お前がいる場所が、好き。Ⅰ
2日が経った。
わたしは、一昨日と同じように知世ちゃんと一緒に桜花ちゃんの家へ行くことになった。
塾があるため、昨日は彼女の家に行くことはできなかったけれど今日も予定はないので行ける。
一昨日と同じように、知世ちゃんが桜花ちゃんの家の呼び鈴を鳴らした。
が、誰も出てこない。
「寝てるのかな?」
「どうだろう……」
知世ちゃんは、首を傾げながらもう一度鳴らしてみた。
が、やっぱり誰も出てこない上、足音も何も聞こえない。
やっぱり桜花ちゃんは寝ているのかな。
それとも、家にいないのかな。
「そういえば、桜花と寺本くんって家が近いんだった!」
知世ちゃんが思い出したように言った。そういえば、確かに桜花ちゃんは寺本とは家が近いと言っていた。
「じゃ、もしかして寺本の家、行ったのかな……?」
寺本の家に行かないと思うけれど、可能性はゼロではない。
「1回、寺本くんの家に行ってみようか……」
わたしは、知世ちゃんの提案に小さくうなずいた。
寺本の家に行くだなんて、あまり考えたくないけれど、行ってみないと桜花ちゃんがいるかどうか分からない。