お前がいる場所が、好き。Ⅰ
「はぁ、はぁ……」
しばらくずっと走り続けていたので、さすがに息が切れた。
あれからわたしは、どこまで遠いところまで行ったんだろう。
周りを見ると、全然知らないところで何も分からない。
「何してんだろ、わたし……」
わたしはそばにあった、電柱に寄りかかる。
わたし、家に帰れるのかな。
今来た場所を、わたしは何気なく見た。
どうやらあれから一直線でずっと走っていたのか。
……というか、どうやって戻ろう。