お前がいる場所が、好き。Ⅰ

2日後の月曜日、学校にはやっぱり桜花ちゃんは来ていない。わたしは学校のホームルームが終わった直後に奈緒と美咲に相談をすることにした。



「元カレが、もう桜花ちゃんに会いたくないって分かってもらうにはどうしたらいいかな?」



難しい顔をして考え込んだ後、奈緒は、



「解決するには、もう一度栗原さんと元カレを会わせた方がいいんじゃないかな?」



と言った。



「それって、ますます栗原さんを傷つけちゃうんじゃない?」



奈緒の意見を聞いて、美咲は不安そうな顔をした。



「でも、このままずっと会わせなかったら栗原さんは家に引きこもって、何もいい事がないよ」



「だよねー……。桜花ちゃんは、元カレのせいであんなに辛い思いしたんだ。可哀想なのは分かるけど、元カレに理解してもらうには、桜花ちゃんが直接言わないとダメかもしれない」



わたしも、自分の意見を言った。桜花ちゃんが会いたくないことをちゃんと言わないと、川野くんは信じないだろう。だって、わたしが『桜花ちゃんは、あなたと復縁する気はないよ』と言っても彼は間に受けなかったんだもの。



「わたし達も行ったほうがいいかな?」



美咲の提案は嬉しいけれど、わたしは首を横に振った。



「ううん。奈緒と美咲にこれ以上負担はかけたくないし、いいよ。でも何かあったら、報告するから!」



わたしがそう言うと、2人とも分かったと言わんばかりに数度頷いてくれた。




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