お前がいる場所が、好き。Ⅰ
君が可愛すぎて

わたしは、湖が近い場所へ行った。湖では、幼稚園児から小学校低学年くらいの子達が楽しそうに水浴びをしている。


もうすぐ4月も終わりだなぁ。


わたしは、そこで持ってきたサンドイッチをのんびりとかじった。



「おーい、転ぶなよ!」



「だいじょうぶだよ、にいちゃん!」



聞き覚えのある声がした後、小さな子供達の声がした。男の子と女の子が1人ずついる。



「あれ、増山?」



聞き覚えのある声が、わたしの苗字を言った。



「てっ、寺本!」



振り向くと、声の正体は寺本だということが分かった。



「何してんの?」



「んー、息抜き」



わたしは、適当に答えてから、サンドイッチのひとかけらを食べた。寺本は、ふーん、とあまり興味がなさそうに声を出した。



「そういう寺本は?」



「弟と妹が、水遊びしたいって言うから付き添いで」



湖に入って遊んでいる、自分の弟と妹を指差しながら、寺本は言う。




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