お前がいる場所が、好き。Ⅰ

「ねえ、奈緒。さっき言ってた20歳の人って、どんな人なの?」



下校中、美咲は興味津々で、奈緒に聞いた。



「すっごく頭が良くて、お菓子が大好きで、顔は、あたしから見ると格好いいと思う。でも、お菓子を食べてる時は、可愛い顔になるよ」



奈緒が答えた。
美咲は、「へぇー!」という声を出して、



「お菓子を食べてる時には可愛くなるなんて、なんか見てみたい! ちょっと子供っぽい感じなのかな?」



と言った。
確かに、お菓子を食べている時は可愛いなんて、なんだか子供らしいイメージがある。



「うん、そうだね。あたしがお菓子をあげたら、無駄に喜んでくれて。勉強をしている時は、優しくて格好いい感じ、なんだ……」



奈緒が珍しく、頰を赤らめている。
奈緒は、恋愛話というものは滅多にしないので、少し新鮮な感じがした。


美咲も同じ気持ちで、珍しく奈緒が恋愛話をしてくれるのが嬉しいのか、大きな目が輝いている。




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