お前がいる場所が、好き。Ⅰ

「じゃあ、日曜日みんなで商店街に行こう!」



奈緒の提案に、美咲は二重まぶたの目をきらきらさせた。



「大賛成! わたし、ずっと家の中にいたんだもん。もう室内は、飽き飽きだから嬉しい!」



「うん、じゃあ決まりね!」



わたしも、奈緒の提案に大きく頷いた。



「本当に楽しみ! こうして3人で学校に集まれるっていうのもすごく嬉しい!」



美咲は、相変わらず二重の大きな目をきらきらと輝かせて、頰はバラ色になっている。


あんなに顔色が悪かった時は、嘘みたい。



「あたしも、美咲が元気になってくれて嬉しい!」



「わたしもー!」



奈緒が言うと、すかさずわたしも続いた。



「ホームルーム、始めるぞー! 座れー」



担任の先生が、教室に入りながら言った。



「あっ! じゃあ、商店街の打ち合わせは後でね」



わたしは言うと、2人に黙って頷かれ、一旦解散してそれぞれの席へと座った。




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