お前がいる場所が、好き。Ⅰ

「じゃあ、どうする?」



下校中、美咲が聞いてきた。



「そうだねぇー。みんな空いてる時間とかは……」



「あたし、夕方から勉強を教えてもらう予定があるから、4時までしか空いてないなんだよね」



奈緒が言いにくそうに言った。



「そっか。みんな、お昼何時に食べてる?」



「12時」



「わたしも」



美咲の質問に奈緒が答えた後、わたしもすぐ答えた。



「同じ。じゃあ、お昼食べてすぐってことにする?」



「そうだね! それで4時までに帰るっていうことになったら、奈緒も間に合うしね」



美咲の提案に、わたしは少し声を張り上げた。



「決まり。じゃあ、それでいいね?」



「オッケー」



わたしが言うと、奈緒も横で親指と人差し指で丸を作った。




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