お前がいる場所が、好き。Ⅰ
君との時間
翌日。朝から雨が降っている。下校時刻になっても降ったままなので、わたしと奈緒と美咲は傘をさして学校を出た。
「すっごい雨だねー」
美咲が雨雲に覆われた空を見上げながら言った。
「明日も小降りだけど、一応雨は降るっぽいよ」
奈緒も一緒に雨雲に覆われた、灰色の空を見上げた。
「そっかー」
「夜まで、ずっとこのままだって天気予報でも言ってた」
奈緒の言う通り、確かに、天気予報でずっと雨は激しく降り続けると言っていた。
頭上で雨がぱらぱら、音を奏で続ける。
あちこちでも水たまりが出来ていて、そこでもまだ雨水は増え続けている。
「じゃあ、塾でも傘持ってかないとね」
「うん。そうだね」
わたしの言葉に、奈緒と美咲は黙って頷いた。