お前がいる場所が、好き。Ⅰ
2日後。体調が完全復活したので、学校に行けるようになった。
「わあ、良かった! 沙織、元気になったんだね!」
美咲が、おさげの髪を揺らしながら駆け寄ってきた。
「ごめんね、心配かけて!」
「大丈夫大丈夫! 親友でしょ? 熱でたら、心配するのが当たり前だよ! わたしの時もそうだったでしょ」
わたしの両肩に手を乗せて、美咲は言った。
「奈緒は?」
「トイレに行ったよ。もうすぐ戻ってくると思う」
美咲は、そう言いながらわたしの肩から手を離した。
……あ、噂をすればだ。奈緒がトイレを済ませて教室に入ってくる。
「沙織。具合、良くなったんだね」
「うん、心配してくれてありがとう!」
「いいのいいの。それより、沙織が休んでいた分の授業のノート、後で見せないとね。進んだとしても、そんなに沢山じゃないから、すぐ終わるよ」
そうか。休んでいる間に授業が進んだから、ノートを見せてもらわないと分からなくなるんだった。