☆服従ゲーム☆俺様王子は奴隷な私を溺愛中。

脅迫文の文字を確認する。


志芳ちゃんの言った通りだ。


「これはさっきと逆で、右手で物差しをおさえ、左手で線を引いているからよ。それによく見ると、横線も右から左へ書かれているわ。つまりこの手紙を書いた人間は左利き」


「あっ、じゃあさっき右手でペンを持って名前を書いていた恵三さんは脅迫文を書いてないってこと?」


恵三は「ちっ」と舌打ちし、
しまった! という表情をする。


「そして蓮。あなたは左利きね。これがあなたを共犯者だという証拠のひとつになるわ」


ここまでの志芳ちゃんの推理で、場の空気は一転、ありえないから、蓮君を疑う方へと変わった。


でもまだ、私も信じられない。
だって蓮君は……


「お、お見事だよ。たった一枚の紙切れから犯人をここまでしぼりこむとは感服するね。だけど……左利きの人間は僕の他にもいくらでもいる。それだけで、僕が犯人だと決めつけるのは早合点だよ…」
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