【完】君と一生を
第三章 別れ
気持ち
ファミリアはそれから一ヶ月ほど、シン達と楽しく過ごした。
暖かくなるとカミーユと言う大蛇も仲間に加わり、さらに賑やかになった。
明日は何をしようかと夜になってはワクワクしながら話し合い、笑い合う。
皆外のことに囚われず、楽しくそして幸せに。
でも楽しい反面、ファミリアは葛藤していた。
ここを出なくてはいけないと思う気持ちと、
ここを離れたくないと思う気持ち。
日に日に強くなっていくのは、家族や国民達への申し訳なさ。
でも、シン達ともっと一緒にいたいと思うのも事実。
ファミリアは、今まで経験したことのない気持ちでいっぱいだった。
「兄さん、私、どうしたらいいのっ…」
ファミリアは一人になると、そんなことを思うようになっていた。
「離れたくない…離れたくないよ、
シン…。」