小さなパン屋の恋物語◆続編完結しました◆
***
雄大が社長決済を得るために書類を持って社長室へ赴くと、中では秘書の藤原が一人で仕事をしていた。
藤原はモニターから視線を外して雄大を確認すると、立ち上がって言う。
「社長なら先程外出されましたよ。」
「外出?珍しい。どこへ?」
何の気なしに聞いただけなのに、予想外の答えが返ってくる。
「パン屋minamiです。」
「は?何で?」
驚きのあまり思わず声が裏返ってしまい、雄大は口元をおさえた。
社長がminamiへ行く用事とは何かと考える。
と、すぐに先日杏奈と共に社長室へ呼ばれたことを思い出した。
───きちんと確認させてもらう
社長の言葉が鮮明によみがえり、雄大は反射的に社長室を飛び出していた。
「まさか直接琴葉に会いに行ったのか?」
雄大は小さく舌打ちをすると、そのまま会社を出てminamiへ急いだ。
琴葉のことが心配でたまらない。
何か嫌なことを言われていないだろうか。
泣いていないだろうか。
想像すればするほど妙な怒りが込み上げてきて、雄大は余計苛立った。
雄大が社長決済を得るために書類を持って社長室へ赴くと、中では秘書の藤原が一人で仕事をしていた。
藤原はモニターから視線を外して雄大を確認すると、立ち上がって言う。
「社長なら先程外出されましたよ。」
「外出?珍しい。どこへ?」
何の気なしに聞いただけなのに、予想外の答えが返ってくる。
「パン屋minamiです。」
「は?何で?」
驚きのあまり思わず声が裏返ってしまい、雄大は口元をおさえた。
社長がminamiへ行く用事とは何かと考える。
と、すぐに先日杏奈と共に社長室へ呼ばれたことを思い出した。
───きちんと確認させてもらう
社長の言葉が鮮明によみがえり、雄大は反射的に社長室を飛び出していた。
「まさか直接琴葉に会いに行ったのか?」
雄大は小さく舌打ちをすると、そのまま会社を出てminamiへ急いだ。
琴葉のことが心配でたまらない。
何か嫌なことを言われていないだろうか。
泣いていないだろうか。
想像すればするほど妙な怒りが込み上げてきて、雄大は余計苛立った。