小さなパン屋の恋物語◆続編完結しました◆
三章◆旅行
一週間の休みが過ぎいつも通りminamiを開店させると、早速常連のおばあさんが来た。
おばあさんは毎日のように朝パンを買いに来てくれる方だ。

「琴葉ちゃんおはよう。」

「おはようございます、おばあちゃん。突然お休みしてすみませんでした。」

琴葉が頭を下げるとおばあさんはパタパタと手を振って答える。

「いーのよ全然。もう休まなくていいの?」

「はい!逆に休みすぎちゃいました。」

「そんなことないわよー。今までよく頑張ってきたんだから、もっと休んでほしいくらいよ。琴葉ちゃんは働きすぎよ。」

「いえいえ、そんなことないですよ。」

「まあ、私はパンが食べれて嬉しいけれど。無理しないでね。」

おばあさんはいつも通りコッペパンを2つ注文すると、お金を払ってにこやかに帰って行く。

「ありがとうございました。」

琴葉はその後ろ姿にペコリとおじぎをすると、ふうと息を吐いた。
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