37.5℃ ~君に恋をしている~
帰りのホームルームが終わって、起立、礼をした後すぐに泉くんは山下さんを置いて出て行ってしまった。山下さんはそんな泉くん気にすることなく、友達と話している。
一緒にカラオケ行くんじゃなかったっけ?
もしかしてケンカでもしたのだろうか。
なんて考えているとサナが耳打ちしてきた。

「これはチャンスだよ」

「チャンス?」

「泉くんが一人ってことは」

そうか。付き合ってるのかどうか、今聞くチャンスという事だ。

「いってらっしゃい」

ドンっとサナに背中を押され、私は教室を出て泉くんを追いかけた。


「泉くん!」

下駄箱で靴を履いていた泉くんはえ?と振り返った。

「一緒に帰らない?」
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