ココロとセツナ
「『紫色』の海斗は、本の虫。学校では図書館にばかりいて、神社にいる時は、木の側にばかりいる。樹木医になって、植物の気持ちを知りたいと言っていた。彼は」
私は、『赤色』の海斗にこう言った。
「あなたと同じ。私が7年前の事を謝ると、すごく怒った。自分を傷つけられるのは、自分だけだと、言い放った」
「高潔で思慮深く、落ち着いていてカッコいい。彼は真実を探し出すまで、自分を決して諦めたりしない」
私は続けた。
「心の奥から、尊敬すべき人」
ゴゴゴゴゴゴ…
ゴゴゴゴゴゴ…
壁が唸り声を上げる。
一面に広がる、本棚が現れた。
そこには樹木の本だけではなく、色んなジャンルの、誰もが読み返したくなって、いつまでも楽しめるような本が、たくさん詰まっていた。
「惚れ直した?」
『紫色』の海斗は、本棚の横で、苦笑いしてこう言った。
『赤色』の海斗は、目を見張った。
「すごい」
私が出会った海斗は、あと2人。
「『青色』の海斗は、真っ直ぐな人。励ましてくれて、問いかけてくれて、この白いワンピースを私に、買ってくれた」
彼には、ありがとうの気持ちが、いくつもいくつも、込み上げてくる。
「痛いくらいに眩しく輝いていて、その想いには全力で応えないと許してくれない、自分にも人にも厳しい人」
「感謝しかない。私の背中を、大きな力で、押してくれた」
部屋が、いきなり上下に揺れた。
皆が飛び上がり、ついつい笑い声を上げてしまう。
大きな青い衣装箪笥が、いきなり本棚の横に現れた。
そこには全員の海斗に似合いそうな、色とりどりの衣類が、ぎっしりと詰まっていた。
「ひどいな。感謝だけ?」
『青色』の海斗は、窮屈な衣装箪笥の中から突然姿を現した。
その滑稽な姿に皆が、楽しそうに笑い出す。
「マスター」
私は、シーツをじっと見つめた。
「いるんでしょう?最初から。『灰色』の海斗。みんなのマスター」
私は、気づいていた。
『赤色』の海斗は、びっくりして、私に聞き返した。
「最初から、って…ええっ?」
どこから?
皆が、息を飲む。
ベッドの上に『灰色』の海斗がゆっくりと、姿を現した。
彼だけは、白い装束を身に纏っていた。
「俺だけ、紹介無し?」
彼は明らかに、がっかりし、言い訳を始めた。
「まさか、マナと『赤色』の濃厚なラブシーンが展開されるとは思わないし、自分では出られないから、仕方ないよね?」
私は笑った。
「これで、私が出会った海斗は全員揃った」
私は、『赤色』の海斗にこう言った。
「あなたと同じ。私が7年前の事を謝ると、すごく怒った。自分を傷つけられるのは、自分だけだと、言い放った」
「高潔で思慮深く、落ち着いていてカッコいい。彼は真実を探し出すまで、自分を決して諦めたりしない」
私は続けた。
「心の奥から、尊敬すべき人」
ゴゴゴゴゴゴ…
ゴゴゴゴゴゴ…
壁が唸り声を上げる。
一面に広がる、本棚が現れた。
そこには樹木の本だけではなく、色んなジャンルの、誰もが読み返したくなって、いつまでも楽しめるような本が、たくさん詰まっていた。
「惚れ直した?」
『紫色』の海斗は、本棚の横で、苦笑いしてこう言った。
『赤色』の海斗は、目を見張った。
「すごい」
私が出会った海斗は、あと2人。
「『青色』の海斗は、真っ直ぐな人。励ましてくれて、問いかけてくれて、この白いワンピースを私に、買ってくれた」
彼には、ありがとうの気持ちが、いくつもいくつも、込み上げてくる。
「痛いくらいに眩しく輝いていて、その想いには全力で応えないと許してくれない、自分にも人にも厳しい人」
「感謝しかない。私の背中を、大きな力で、押してくれた」
部屋が、いきなり上下に揺れた。
皆が飛び上がり、ついつい笑い声を上げてしまう。
大きな青い衣装箪笥が、いきなり本棚の横に現れた。
そこには全員の海斗に似合いそうな、色とりどりの衣類が、ぎっしりと詰まっていた。
「ひどいな。感謝だけ?」
『青色』の海斗は、窮屈な衣装箪笥の中から突然姿を現した。
その滑稽な姿に皆が、楽しそうに笑い出す。
「マスター」
私は、シーツをじっと見つめた。
「いるんでしょう?最初から。『灰色』の海斗。みんなのマスター」
私は、気づいていた。
『赤色』の海斗は、びっくりして、私に聞き返した。
「最初から、って…ええっ?」
どこから?
皆が、息を飲む。
ベッドの上に『灰色』の海斗がゆっくりと、姿を現した。
彼だけは、白い装束を身に纏っていた。
「俺だけ、紹介無し?」
彼は明らかに、がっかりし、言い訳を始めた。
「まさか、マナと『赤色』の濃厚なラブシーンが展開されるとは思わないし、自分では出られないから、仕方ないよね?」
私は笑った。
「これで、私が出会った海斗は全員揃った」