ラブ・シュガーレス
「ありがとうございましたー!」

ふぅ~。

お客様が帰られ一息着く頃には上がりの時間になっていた。

「望花ちゃん、お疲れ様ー!今日はここまでにしようか!」

「あ、はーい!」

「とりあえず次のシフトとかも決めたいから、着替えたらバックヤードで待ってて!」

「分かりました。お先ですー。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

つ、疲れた~。。
初めてのバイト、しかも立ちっぱなしは今まであまりないので足に来てしまった。
さっと着替えてバックヤードにある椅子に腰を掛けた。

「んー疲れたけど、楽しかったー」

「すっげぇ駄々漏れ。。」

「!?」

き、聞かれた!?
目線の先には呆れ顔の目付きの悪い男が立っていた。

「た、田中さん。あーいや、ちょっと今のは聞かなかったことに。。」

恥ずかしさで祈願をしたが駄目だった。

「まぁ、接客はど素人だったけど、受け答えはバッチリだったよな。」

「え?」

「珈琲の種類も分かってるし、豆の説明も俺らが口出す前にちゃんと言えてたしな。」

ほ、誉めてるのか?これは。。

「あ、ありがとうござー」
「でも、マジで接客はダメダメだったからプラマイゼロだな。次はもっと落ち着いて接客しろよ。じゃあお疲れ。」

「あ、お疲れ様ーです。」

「誉められたかと思えばダメだし、なんか悔しい!!なんなのさー」

「あーそうそう」

びくっ!今の聞かれた?

「・・・俺の呼び名、隼人で良いから。皆そうだから呼び慣れてる。あと、愚痴はもう少し小さい声で言えよな。」

「は、はい。。」
完全に聞こえてた。
< 11 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop