いつもスウィング気分で
「車で出勤だなんて優雅だわ」
「彼の車で送ってもらったことはないの?」
「あるわよ、何度か。代々木公園を抜けて走るの。あの道は好きだわ。あの自転車で走ったらかっこ良いでしょうね」
「自転車買えば? 女性用のフレームだったらスカートでも乗れるよ」
「趣味じゃない」
「あ、そ」
7時半。カチャカチャと食器を洗う彼女の隣で俺は濡れた皿やフォークを拭いた。
「2人でやると早いわね」
と彼女が笑った。
化粧をする彼女を俺はベッドに腰掛けて眺めていた。
「やあねぇ、そんなにジロジロ見ないで。手元が狂うじゃない」
ノウズシャドウを小さなスポンジチップで置き指で伸ばす。筋の通った鼻に影が出来た。眉を描きブルーのマスカラを着ける。
「それだけ?」
「あとはリップ」
透明なピンクのリップクリーム。ファンデーションの下から彼女の唇の色が現れる。まるで口紅を着けたようだ。
「簡単なんだなあ」
「私のような顔は派手な化粧は似合わないの」
ほんの少し化粧しただけで随分変わる。ということはケバケバに塗った女たちはどんな素顔を下に隠しているのか・・・。想像を絶するね。彼女は行きも帰りも全く変わらない顔をしているが、中にはアフター5用の化粧を昼休みに仕上げる奴が居る。朝は化粧をする時間が無いのか、一日中みっちり化粧をしているのは流石に疲れるのか、崩れるのか。
「彼の車で送ってもらったことはないの?」
「あるわよ、何度か。代々木公園を抜けて走るの。あの道は好きだわ。あの自転車で走ったらかっこ良いでしょうね」
「自転車買えば? 女性用のフレームだったらスカートでも乗れるよ」
「趣味じゃない」
「あ、そ」
7時半。カチャカチャと食器を洗う彼女の隣で俺は濡れた皿やフォークを拭いた。
「2人でやると早いわね」
と彼女が笑った。
化粧をする彼女を俺はベッドに腰掛けて眺めていた。
「やあねぇ、そんなにジロジロ見ないで。手元が狂うじゃない」
ノウズシャドウを小さなスポンジチップで置き指で伸ばす。筋の通った鼻に影が出来た。眉を描きブルーのマスカラを着ける。
「それだけ?」
「あとはリップ」
透明なピンクのリップクリーム。ファンデーションの下から彼女の唇の色が現れる。まるで口紅を着けたようだ。
「簡単なんだなあ」
「私のような顔は派手な化粧は似合わないの」
ほんの少し化粧しただけで随分変わる。ということはケバケバに塗った女たちはどんな素顔を下に隠しているのか・・・。想像を絶するね。彼女は行きも帰りも全く変わらない顔をしているが、中にはアフター5用の化粧を昼休みに仕上げる奴が居る。朝は化粧をする時間が無いのか、一日中みっちり化粧をしているのは流石に疲れるのか、崩れるのか。